今日、ナニワイバラの剪定がやっと終わり、これで全部が終了です。
きれいになりましたが、本来あまり剪定しないほうがいいのですが、まさか放任栽培するわけにはいきませんので、つるバラと同様に剪定をしました。ただし、ほとんどの枝は残してあります。常緑のバラは新しい芽が伸びて、葉が出始めると、古い葉を落とします。ですので、葉を残すように剪定するのがいいのですが、仕方ありませんね。
これで全部のバラや草花などの植え替えと剪定が終わりました。後は細かい所の片付けだけになりました。
さて、スタンダード用のノイバラの挿し木ですが、芽抜きのみをおこないました。
ちょっとぼけてますが、ノイバラの枝です。今年は選抜して10本ほどにしました。というのも、昨年度のものが大量にあるからです。今回はなるべく真っ直ぐなものを選びました。
このような芽がいくつかあります。挿し木して芽が出ては使い物になりませんので、この芽を上の2~3芽以外は削り取ります。
切接ぎナイフでえぐるように削ります。ナイフはよく研いで切れるようにしておきます。傷口が滑らかなほど、後でカルスが良く乗り傷を長い日数かけて分からないくらいにしてくれます。
当然ですが、皮手袋をして自分の手を保護してくださいね。まあ、バラをたくさんやる人は持っているとは思いますが。
このように、芽を抜きます。これを先ほども書きましたが、2、3芽残し全部行います。1m以内ならそれほど邪魔でないので室内でも出来ますが、これが、越えるものだとさすがに戸外でないと出来ません。またかなりの労働にもなります。
長い真直ぐな枝が欲しい時は、ノイバラのシュートを長いイボダケなどで、支えて伸ばしておくと、冬には挿し木できるようになります。
このやり方はつるバラのシュートの保護にも使われるやり方です。生育時に変に曲がっていると、そこから枝葉が出て形の悪いものになってしまいます。
またピンボケですがこのように、上の方の芽を残します。全部取ってしまうと当然枯れてしまいます。生育時に一芽では心もとないので2~3芽残すのです。これで生育時に光合成も多くなり、生育が良くなります。貼り芽接ぎでは、この芽の下で接ぎます。接いだ芽がうまく癒着して生育するようになれば、接いだ芽の上を切断して、ノイバラの枝葉を落としてしまいます。できれば、切断面には殺菌剤入りの融合剤を塗ってください。そこから枯れる事があるためです。
またもピンボケですが、白くなっているところが芽抜きした箇所です。この傷はやがては見えなくなり消えます。完全ではありませんが、気にならないほどになります。
それとこれが一番肝心なのですが、切った枝は必ず水につけて水揚げしてください。最低一晩ですが、枝を枯れさせないため水に挿しておけばちょっとは持ちます。私はこの芽抜きするのにすでに1週間近くたっていますが、先のほうまで瑞々しい枝でしたよ。
実はこれ16日深夜にやったのですが、実はまだ挿し木にしてません。明日にでもと思っているのですが。
余談ですが、なぜスタンダードの市販のバラが高いかはおわかりでしょうか?私の作業を見て貰うとなぜかは分かると思います。スタンダードは尺物は1万円以上です。30cmから70cmの物はおそらく7000円~8000円くらいするのでは?
実は手間がかかっているからです。まず、ノイバラの長い枝を入手するのに自家栽培がほとんどであること。それを真っ直ぐにする事。更に芽抜き、挿し木、肥培、接木、栽培、出荷という工程をになります。最短でも2年です。挿し木後の肥培をしていないと貧弱な枝になります。それと、教科書通りに6月からの挿し木したものは、枝が貧弱で、支えがないと短いものでも自立できません。私が冬に挿し木するのを進める理由はここにあります。冬に挿し木したものは枝が充実していて、短い物はそのまま自立できるくらい硬いからです。
普通の接木のバラは、ノイバラの種まき、肥培、接木、出荷となります。これは1年で出来ます。実は普通の接木の苗は1年で行うのが基本ですというか、そうでないとうまく接木した部分が癒着しないからです。芽接ぎも同様です。ノイバラの台木は専門の農家が100本単位で出荷するそうです。1本単価はかなり安いようで、実際、春の新苗は300円~500円くらいで業者が買い取るようです。売りに出るときは、新苗では1900円前後が相場です。物によっては2000円を超えますが。この業界の秘密、ちょっとバラ農家の人に教わりました。1m物のスタンダードなら2万円でも買う人がいるそうです。
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